小児の外傷歯への対応
投稿日:2020年2月25日
カテゴリ:スタッフブログ
埼玉県羽生市にあります、木村歯科医院の大竹です。
3月も近づき、梅の花も咲いてきてだんだんと春の訪れを感じる季節となりましたね。暖かくなるのは嬉しいですが、花粉がつらい季節でもありますのでしっかり備えていきたいと思います。
さて、春の訪れとはあまり関連はないのですが、今年に入ってからお子さんの外傷の対応をする機会がちらほらありました。屋外にせよ、屋内にせよ、小さなお子さんが活発に遊びまわる時期には増える傾向がありますね。
今回は、小児の外傷歯に関するお話をしたいと思います。
小児の歯の外傷は、前歯で多く見られ、振盪(打撲)、脱臼(歯が動揺・元の位置から動いてしまう)、破折(歯が折れる)、脱落(歯が抜ける)、歯槽骨骨折などがあります。
原因としては、転倒・衝突・転落、事故やスポーツによるものもが多くあげられます。
これから、歯が脱落してしまった時の対応についてお話します。
【脱落歯への対応】
・まず外傷の原因や経過、場所について問診します。全身状態についても、異常がないかの確認は大切です。
・永久歯(大人の歯)の前歯では完全に脱落した場合は再植(元の位置へ植え直す)を試みます。
・歯が抜けてしまった場合、再植治療の重要な要素となるのが歯根と骨の間にある「歯根膜」と呼ばれる歯 周組織の存在です。歯根膜が生きた状態で保存されていれば、予後は良いとされています。
一方、乾燥してしまい、歯根表面の歯根膜の状況が悪いと、病的動揺が出現することや、生理的な動揺がなくなるなど、元通りに回復する可能性が低くなってしまいます。
・歯が脱落してからの経過時間が重要です。30分以内であれば歯根膜が再生する可能性があります。
・脱落歯の保存状態も重要で、ハンカチやティッシュペーパーなどに包まれて乾燥状態になっているものは、歯根膜が再生できず、元の状態に回復しない場合があります。
・歯根膜を乾燥させないため、脱落歯の保存は、生理食塩水か牛乳の中が良いと言われています。両方とも準備できない場合は、唾液中すなわち口腔内に保管する方法もありますが、汚れが付着している場合や、小さいお子さんの口腔内では、飲み込んだり吐き出したりしてしまうことがあるため注意が必要です。最近では、歯牙保存液が市販されています。
・歯を乾燥させないようにし、なるべく早く歯科医院を受診するようにしましょう。
・脱落歯は元の位置に戻し、固定が成功した後も、1~3ヶ月毎にレントゲン撮影し、歯の変化を注意深く観察していく必要があります。
歯の脱落については、以上のような対応があります。外傷については、いつ何が起こるか分からないので、ぜひ知っていていただけると幸いです。
木村歯科医院では院長によるお口の健康に関するオリエンテーションを無料で行っています。
次回の開催は 3月17日(火) 15:00~ です。
参加希望の方は木村歯科医院(048-561-0808)までご連絡ください。
皆様のご参加お待ちしております。
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