奥歯がなくても上下コーヌスクローネ義歯でしっかり噛めるようになった症例
こちらの方はむし歯を長年放置してしまい、作った入れ歯も合わずに入れずに過ごしていたため、むし歯が進行し、痛みにより噛むことができず腫れを繰り返して困っておられました。
【▼初診時の口腔内】
色々とホームページで良い方法はないかと探したところ、木村歯科の精密義歯、特殊義歯を知りインプラント以外でも治す方法があるのではないかと相談にいらっしゃいました。
当院では最初に、トリートメントコーディネイター(治療相談員)が、今お困りのことだけでなく、これまでの治療で不快に思ったこと、今回の治療で希望することや気になることをできるだけ丁寧にお伺いして、精密な検査(歯周治療、レントゲン撮影)からスタートしています。
下顎が下顎両側遊離端(一番奥の歯の7.8番目が両側ない)であるのと、歯周病が進行しているため、むし歯リスクが高い状態でした。
入れ歯のご提案としてノンクラスプデンチャーは、保険の義歯のひっかける金属のバネの部分(クラスプ)ではないので装着後が目立ちにくいです。また入れ歯の中でも歯へのフィット感が良いため違和感が少ないという特徴もあります。
保険の入れ歯もスマイルデンチャーも、隣の歯にひっかける為、その歯に負担がかかり揺らいでくる可能性があります。また、歯のない本数が多くなるにつれて床(ピンクの部分)の面積が大きくなる為、喋りづらさや味、温度の感じ方に影響が出ることがあります。インプラントは、骨にネジを埋め込み、被せ物を被せることによって、ご自身の歯のように噛むことができます。インプラントも歯周炎を防ぐために日頃のお手入れが大切となります。
コーヌス義歯は、床がなく、歯の形になっている取り外しのできる入れ歯です。自分の歯の神経の処置をしてから土台を作り、その上に歯の形状をした入れ歯を被せます。密着性があるため食事中落ちてこず、噛み応えもあります。
また、取り外しができるので日頃のお手入れもしやすいものです。骨がしっかりしていたため、インプラントをすることも可能ですが、全顎治療するとなるとインプラントの本数が多くなり、費用が高くなります。何度かご相談し、費用に対しての治療効果を考えコーヌス義歯の治療をすることになりました。
治療として、全体的に歯周病が見られた為、先に歯周治療を行いつつ、上下のコーヌス義歯の治療を進めていきます。残す歯の神経を取る治療を行った後、早い段階で仮歯を付け、土台を作り、その上に内冠と外冠を作成していき、最終的にはきれいな被せ物が入ります。上顎は支えに必要な箇所に歯がないところがあった為、インプラントを左右3本ずつ埋入し、その上にコーヌス義歯となる部分を作成していきます。
数回の調整と取り外し方、お手入れのやり方をお伝えし、患者様ご自身で管理ができるようになりました。 現在は3ヶ月ごとのメンテナンスを行い、極めて良好な状態を維持しております。患者様からは「奥歯で噛むことができ、問題なく食事もとることができて治療してよかったです。」と喜んでおりました。
たくさんある治療の選択肢から、その方に合った治療、費用面、効果を考えご提案をさせていただきたいと思います。このようにお口全体の治療では、治療前の相談、シミュレーションがとても重要だと思い、当院では「相談」だけのお時間もお取りしています。その上で、実際に治療を行うかどうか、じっくりと考えて頂けるよう配慮しておりますので、お気軽にご相談ください。
【▼治療後の口腔内】
年齢・性別 | 50代・男性 |
治療期間 | 1年 |
治療回数 | 20回 |
治療費用 | インプラント6本 2,360,000円(税込) 上下コーヌス義歯 4,067,800円(税込) |
リスクなど | ・咬合が低くなっていましたので修正するとかみ合わせが高くなり、慣れるまで時間がかかります。 ・稀に歯牙の移動により、精度に誤差が出て装着が緩くなることがあります。使用に問題なくなるまで修正させていただきますが、その分治療回数が増えてしまいます。 ・コーヌス義歯セット後も定期管理が必要です。 |
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