子どもの口腔機能発達不全⑤

投稿日:2025年1月24日

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こんにちは!羽生市にあります木村歯科医院の大竹です。 年が明けたらあっという間に1月も中旬ですね。この時期にしては気温が高く、早々に花粉の気配を感じる今日この頃…。感染症も流行っているので体調には気を付けて生活していきましょう。

さて、今回も前回に引き続き、子どもの口腔機能発達不全症についてお話ししたいと思います。

歯科の定期検診ではう蝕や歯肉の炎症がないかはもちろん、口腔周囲の筋力や顎の動き、舌や頬の動きもスムーズか確認し、口腔内に悪影響を及ぼしていないか確認しています。

【飲み込むときに舌の動きに問題がある】

〇安静時に舌が正しい位置に収まっていない

 安静時に舌は、舌尖が前歯の裏側に、舌背面が口蓋に接するのが通常です。正しく舌が位置せず、舌の筋力が弱いと舌尖部が下の前歯の裏側に接している「低位舌」という状態になります。

〇舌の習癖がある  正しい飲み込み(嚥下)は「舌で口蓋を押し上げるようにする」ですが、乳児型の嚥下では「舌で歯を前方に押し出しながら飲み込む」という状態になります。

〇食具の使い方にクセがある  ストローを深くくわえる飲料の飲み方は舌の上下運動が妨げられ、舌を口蓋に接触させることができなくなり舌の突出に繋がります。

 

【扁桃や舌の形態に異常が認められる】

〇舌小帯異常(短縮)  舌小帯とは舌の下面から前歯の裏側にいたるひだのことです。このひだが短いと舌を上手く口蓋に持ち上げることができず、嚥下や発音障害を引き起こすことがあります。

〇口蓋扁桃の肥大が認められる  口蓋扁桃が成長とともに肥大し縮小していき、生活に支障がなければ経過観察となりますが、上気道閉塞が起こっている場合は耳鼻咽喉科へ紹介することもあります。

〇巨舌症  口に収まらないほど舌が大きい状態です。舌の可動域が狭い場合は口腔外科など専門科へ紹介することがあります。

 

【口唇閉鎖不全が認められる】

〇口腔機能や筋力問題がある

口唇の筋力が弱いと口唇閉鎖不全や口呼吸になりやすくなります。他にもよだれが多い、水を口腔内に溜められない、音を立てて食べる、食べこぼすなどが観察されます。

〇鼻の疾患をもっている

アレルギー性鼻炎や口蓋扁桃肥大などの鼻咽腔疾患があると鼻で呼吸しにくいため口を開けて呼吸するようになります。

 

これらの原因が組み合わさって口腔機能発達不全を引き起こしている場合があります。 習癖をなくし、口腔機能の訓練を行うことで改善できることもありますし、場合によっては矯正的なアプローチや各種専門医への紹介や受診が必要になることもあります。 日常の様子で気になることがあれば相談してみてくださいね。

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