予防歯科・歯周病

当院の予防歯科の「体制」と「考え方」

予防歯科

予防歯科は当院が最も力を入れている診療科目の1つです。昨今、予防歯科に対する患者様の意識の向上がめまぐるしく、それを全力でお手伝いすることが我々の役目と考えております。当院の予防処置の「体制」には、3つの特徴があります。

1.予防の専門家である「歯科衛生士」の存在

予防歯科をする歯科衛生士

歯科医院での予防処置というのは、主に歯科衛生士が行っているのをご存知でしょうか。

歯科衛生士とは、歯科医師と同じように、国家資格を持った専門家です。専門学校や大学で、予防や歯周病治療を専門に学んでいますので、予防のプロと言えるのです。

当院では、予防のプロである歯科衛生士が一人ひとりに必要な処置を行い、患者様と二人三脚で予防・治療に取り組んでいます。

※当院ではe-smileクラブ会員様のみ歯科衛生士を担当制としています。また、保険診療やクリーニング、定期検査については衛生士担当制ではありませんが、前回の担当よりしっかりと引き継ぎを行っています。

2.「超音波スケーラー」と「手動のハンドスケーラー」を使い分けている

スケーラー写真歯の表面の歯垢や歯石を落とすには、スケーラーという器具が必要になります。

スケーラーには「超音波スケーラー」と「手動のハンドスケーラー」の2種類があります。

最近では「超音波スケーラー」が主流となりつつあるのですが、当院では、この2つを上手く使い分けています。なぜなら、この2つのスケーラーには、それぞれ異なった特徴があるからです。

超音波スケーラー

超音波スケーラー超音波スケーラーは、歯の表面の歯石等を広く、浅く取り除くことができます。

ですので、短時間で歯を綺麗にすることができるのですが、歯石等の取り残しが生まれる可能性は高いです。

手動のハンドスケーラー

手動のハンドスケーラー手動のハンドスケーラーは、器材を使わずに手で歯石等を取り除いていきます。

そのため、歯の隅々まで綺麗に処置することができますが、その分時間がかかってしまうデメリットをもっています。

このように、2つの異なる特徴を持つスケーラーを交互に使用することで、効果的に歯石を除去していくことが可能です。歯というのは、複雑な形をしているので、平面には超音波スケーラーを、凹凸が激しい場所には手動のハンドスケーラーを使用することが望ましいのです。

3.会員制予防歯科システム「e-smileクラブ」

会員制予防歯科システム「e-smileクラブ」当院では、羽生市ではめずらしい会員制の予防歯科プログラムである「e-smileクラブ」という会を設立し、予防専用ルームにて高水準の予防歯科治療を実践しております。

保険診療で認められている予防処置は十分な口腔ケアを行うことができないのが現状で、ちゃんと保険のクリーニングを行っていても虫歯になる確率はあるのです。

しかし、このe-smileクラブでは自費診療対象の高水準の予防処置を低価格にて提供しており、すでに会員800名以上の方にご参加頂き、大変好評です。(e-smileクラブについて詳しくはこちらから

そもそも「予防」とは・・・?

予防歯科

歯科医院での治療と言うと、虫歯を削ったり、詰め物をしたりといった処置が思い浮かぶかと思います。最近では、それに加えて予防歯科という概念も普及しつつあります。

予防歯科とは、虫歯や歯周病にならないために処置するもので、通常の歯科治療とは少し異なります。ですから、歯を削ることはほとんどなく、お口の中を綺麗な状態に保つための処置と考えましょう。そうすることによって、虫歯や歯周病を事前に防ぎ、自分の歯を健康に保つことができるのです。

歯磨きだけで虫歯・歯周病を予防することは難しい!?

予防歯科と歯磨き

私たちは、物心ついた頃から、毎日歯磨きをすることを教えられます。また、歯医者さんでも歯磨きの指導を受け、その重要性を教えられるかと思います。けれども実は、毎日きちんと歯磨きをするだけでは、虫歯や歯周病を完全に予防することはできいないのです。これは、バイオフィルムと呼ばれる汚れを、毎日の歯磨きでは、完全に除去することができないためなのです。

バイオフィルムってなに?

台所の三角コーナーを思い浮かべてください。台所を使用した後に、綺麗に洗い流しますよね。けれども、1~2週間経過してくると、少しずつ三角コーナーのヌメヌメがたまっていきませんか?実はこれと同じことが、お口の中にも言えるのです。それがバイオフィルムですね。

歯の表面に蓄積したバイオフィルムは、やがて歯垢から歯石へと変わっていきます。すると、歯茎に炎症を起こしたり、歯そのものを溶かしていく虫歯を誘発する のです。

sample

バイオフィルムがたまるとどうなるの?

バイオフィルムバイオフィルムがたまると、歯茎に炎症を起こしたり、歯そのものを溶かしていく虫歯を誘発します。

ですので定期的に歯科でこれらの汚れを完全に落とさなければ、そのうち虫歯や歯周病に罹ってしまうのです。

ちなみに歯石などの汚れを落とすなどして、歯をリフレッシュすることをメインテナンスと言います。このメインテナンスは、2~3カ月に1回くらいがベストかと思います。それによって、虫歯や歯周病になる確率が激減していきます。

予防処置で虫歯を予防するだけでなく歯も白く美しくなる!?

予防歯科と着色除去

歯医者さんで予防処置を受けることは、単に虫歯や歯周病に罹りにくくなるだけではありません。患者様にはあまり知られていないのですが、こうした予防処置を施すことによって、実は歯が白く綺麗になるのです。虫歯や歯周病予防で、どうして歯が白くなるのか、不思議に思いますよね。そこでまず、予防処置では何が行われるのかを考えてみましょう。

歯のクリーニングで着色を落とす!

歯医者さんでの予防処置ではまず、歯の表面に付着した歯垢や歯石を除去します。カチカチに固まった歯石でも、綺麗に取り除くことができます。この処置によって、歯は本来の白さを取り戻すのです。なぜなら、歯石にはタバコのヤニやコーヒーなどの着色性物質によって、黄色く汚されているからです。その汚れの元が除去されるため、歯が持っている本来の白さが表面に現れてくるのです。

sample

このように、定期的に予防処置を受けることによって、虫歯や歯周病の予防だけではなく、歯を白くすることも可能なのです。つまり、歯のメインテナンスというのは、一石二鳥の処置であると言えます。

当院で実施した歯周病治療の症例をご紹介

▼当院で実施した歯周病治療の症例をご紹介いたします。

歯周病治療の症例①(60代・女性)

こちらの方は、長く通院されている当院の患者さまのご紹介で来院されました。「私も通っているけど、歯医者なら良いところがあるわよ」との言葉で背中を押され、いらっしゃいました。

来院のきっかけは、左上の奥歯に違和感、歯磨きするととても痛みが出る。被せ物が外れて食事がしづらい、全体的に歯の色が気になって口を開けて笑えない、といった内容でした。

最初に、当院ではトリートメントコーディネーター(治療相談員)という担当から、こういった、今お困りのことだけではなく、これまでの治療で不快に思ったこと、今回の治療で希望することや、気になることなどをできるだけ丁寧にお伺いして、検査からスタートしています。

欠損部(歯が抜けた部分)は、インプラント(人工歯根)、義歯(入れ歯)などいくつかの方法を検討した結果、身体への負担も少ない部分入れ歯となりました。

【▼初診時の口腔内】

治療前

歯が抜けてしまった原因、被せ物の不具合の原因の根本には、プラーク(菌)があります。そのプラークにより、歯周病が進行していましたので、まず歯周病の治療、ご自宅での歯磨きを効果的に行うための技術の習得にも取り組んで頂きました。

歯周病はご存じの通り、歯周病原細菌による感染性の炎症性疾患です。歯の周りの歯ぐき(歯肉)に炎症が起こり、さらに進行すると歯を支えている歯槽骨が溶けてしまう病気で、成人の8割以上の方が罹患している言われ、ギネスブックで「世界で最も一般に蔓延している感染症」となっています。

この症状を抑えることが、補綴物(歯の被せものや、入れ歯等)を安定的に長く使うための大切なポイントとなります。

歯周病治療

そこで、歯周ポケットの深さの測定、歯の動揺や出血の度合いなども精密に検査を行い、表面だけではなく、歯肉の奥に入り込んでいる古い歯石やプラークを取り除く治療を行いました。

【▼治療後の口腔内】

治療後

併せて、日ごろの歯磨きの仕方や癖などを確認し、病状にあった当院の歯ブラシと歯磨き粉を使用して頂くことで、歯周病の状態も安定し、出血も収まり、歯ぐきも引き締った状態になってきました。

現在は、定期的なメンテナンスにお越しなり、積極的にセルフケアも取り組んでいます。歯がキレイになり、お口の健康に更に興味をもって頂いたことから、ホワイトニングで自身の歯を白くする治療も受けられて満足されておられます。

年齢・性別 60代・女性
治療期間 2ヵ月
治療回数 4回
治療費用 保険適用の歯周病治療
リスクなど ・歯周病治療により、歯肉退縮・知覚過敏となる可能性があります。

歯周病治療の症例②(40代・男性)

こちらの方は、当院の患者さまの奥様からのご紹介で、10年ぶりの歯科医院に来院されました。「銀歯が取れてしまった」というのがきっかけでした。特に痛みがあった訳ではありませんが、食べ物が詰まることと、いつ痛みが出るかと不安もあったことから久しぶりの歯医者だったそうです。

最初に、当院のトリートメントコーディネーター(治療相談員)が、お話しを伺い、当院のシステムや治療の進め方などを大まかな予定を確認しました。その後、むし歯、歯周病、噛み合わせなどの精密検査を受け、担当医から治療方法についていくつか提案し、銀歯が外れたところは保険の詰め物で治療しました。

一方で、むし歯や歯周病の原因となったプラーク(細菌)を減らし、口腔内を衛生的な状態にコントロールする治療を並行して行いました。この治療は専門の国家資格を持つ歯科衛生士が担当させて頂きました。

【▼初診時の口腔内】

まず、暫く歯医者に来ていないこともあり、歯石が多く付着していました。歯石はお口の中の見える部分だけではなく、歯肉(歯ぐき)の下(歯の根)の部分にも付着していましたので、超音波スケーラーという器具を使用し歯石を綺麗に除去しました。

治療前

続いて、ご自身でも効果的にお掃除ができるように、歯磨き指導を行い、歯ブラシの当て方、デンタルフロスの使い方、歯磨きに費やす時間やタイミングなどについてレクチャーさせて頂きました。今回、右上23の唇側(外側)に目立つ歯石が付着していましたので、この部分に上手くブラシが当てられていないことが考えられました。

歯科衛生士が行う術者磨きにて適度なブラシ圧を確認し、歯石が付着していた部位にいつも歯ブラシが当てられていたかを確認し、効率の良い磨き順などもお伝えしました。実は、プロの歯科衛生士でも歯ブラシだけでは全体の60%までしか磨けないのが実態です。

そこでフロスを使うことで80%は自分で綺麗にすることが可能になります。フロスは口臭の予防や歯肉が早く良くなる効果がある上、歯石も付きにくくなることを伝えると、日常の中でフロスを積極的に使用してくださるようになりました。あわせて、食生活がお口の健康に大きく関係することをお伝えしました。

治療前

食事指導としては、夕飯を食べる時間や、お酒を飲んだ後の歯磨きなど日常でのリスクになりえることを確認しました。よく、お酒を飲むと歯磨きをせずに寝てしまう方が多く、これはむし歯や歯周病のリスクが高める要因になります。一日の締めくくりとしての晩酌の楽しみを大切にしつつ、お口の健康も守るため、どうしても歯磨きができないタイミングがあれば、お口を大袈裟なほどに強くゆすぐだけでも何もしないよりは良いことをお伝えしました。

お酒がお口の健康に影響を及ぼすこととしては、このように寝る前の歯ブラシが疎かになりがちという以外にもあります。お酒はPHが低く酸性に傾く傾向があります。長い時間かけてお酒をだらだらと飲み続けるとむし歯になりやすくなること、加えて、飲酒により血管拡張作用により血流が良くなり、歯周病等の炎症を強めてしまうこともあります。

【▼治療後の口腔内】

治療後

この方は、その後プライベートでも歯ブラシがないときや歯磨きの時間が取れないときはお口を強く濯ぐようにしてくださっています。ご本人も「食べっぱなしは口の中が気持ち悪いし心配だから必ず何かしらのケアをするようになりました」とおっしゃっていました。

現在は、定期的にメンテナンスにお越しになられています。

年齢・性別 40代・男性
治療期間 1ヵ月
治療回数 2回※むし歯治療を除く
治療費用 保険適用の歯周病治療
リスクなど ・歯周病治療により、歯肉退縮・知覚過敏となる可能性があります。

初期の歯周治療で口腔内が改善された症例(20代・女性)

【▼初診時の口腔内】

治療前の口腔内

こちらの方はご家族のご紹介で来院されました。来院のきっかけは、顎が痛く、口を開けるとジャリと音がするとの内容でした。最初に、当院ではトリートメントコーディネイター(治療相談員)という担当から、こういった、今お困りのことだけでなく、これまでの治療で不快に思ったこと、今回の治療で希望することや、気になることなどをできるだけ丁寧にお伺いして、検査からスタートしています。

バイトプレート(マウスピース)まずは、歯科医師の治療方針から、寝るときに使うバイトプレート(マウスピース)を使っていただくことになりました。

寝ているときの歯ぎしり食いしばりは、顎や歯が痛くなったり、歯肉が腫れてたり、退縮しまったりして、最悪の場合、歯を失ってしまう恐れがあります。そのリスクを軽減させるのがバイトプレートで、実際に使っていただいて顎の痛みがなくなったと患者様がおっしゃっていました。

口腔内の検査では、歯石やプラーク(細菌)が付着しているのと、歯周ポケットの深さの検査では、BOP(歯肉の出血)が、20%以下が望ましいところ、約28%ありましたので歯周治療を行いました。

その後の唾液検査では、歯をむし歯から守る唾液の量や質のほか、むし歯菌の量や種類など、また、歯と歯茎の健康や口腔内の清潔度など6項目の状態を調べました。

【▼唾液検査の手順】

唾液検査

バイトプレート(マウスピース)検査結果から、常備薬の関係から唾液の量が少ないのと、食べ物を食べるとお口の中が酸性に変わり、唾液の効果で30分くらいかけて中性に戻るのですが、お口の酸性度が高く、中性に戻るのに時間がかかるため、虫歯のリスクが高いことを伝えました。

また、お菓子を仕事の合間に食べてしてしまうことがあるので、食べるときは、ごはんを食べるときに一緒に食べるなど、お口の中が酸性になる時間を少なくする工夫をされました。

※こちらの検査結果画像はサンプルです。

そして、予防の大切さと虫歯のリスクを抑えるために、歯ブラシのみの使用だったのをフロスの使い方とブラッシング指導を行い、自宅でセルフケアしていただきました。

【▼治療後の口腔内】

治療後の口腔内

患者様がセルフケアを頑張っていただいた結果、歯石やプラークが減り、歯肉の色や炎症が良い方向に向いたので、引き続き歯周治療を行い、お口の管理をさせていただきます。

年齢・性別 20代・女性
治療期間 約1ヵ月程度
治療回数 3回
治療費用 保険適用の歯周治療
リスクなど ・歯周病治療により、歯肉退縮・知覚過敏となる可能性があります。

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羽生で高水準の予防歯科処置をご希望の方はぜひご相談ください

予防歯科

当院では、羽生でも数少ない会員制予防歯科プログラムを行っている歯科医院です。羽生だけでなく、行田市や加須市、鴻巣市や館林市からもご来院いただき評判をいただいております。高水準の予防歯科処置をご希望の方はぜひご相談ください。