歯科と認知症

投稿日:2020年7月24日

カテゴリ:スタッフブログ

こんにちは!
埼玉県羽生市にあります木村歯科医院の大竹です。
新型コロナ感染者数が増えてきていますね。心配な部分もありますが、手洗いうがいや、マスク着用、三密を避けるなど正しい知識をもって感染予防に努めたいですね。

さて、日本は超高齢社会に突入し、歯科医院にも認知症や予備軍といわれる患者さんが来院されます。今回は歯科と認知症の関係についてお話ししたいと思います。

認知症にはいくつか分類がありますが、アルツハイマー型認知症は歯科と関係があるとされています。アルツハイマー型認知症は、大脳に特徴的な老人斑、変性性の病変による進行性の認知症で、現在認知症の過半数を占めています。

加齢に伴い、50歳を過ぎたあたりから、異常なタンパクであるアミロイドβが脳内に沈着(老人斑)してきます。それから、10~15年が経過すると、神経細胞が線維性の構造物に置換してしまう、神経原線維変化が形成され、さらに10年程度して認知症が発症します。65歳を過ぎると発症率が高くなることから、アミロイドβの産生や沈着を止めることは認知症予防に重要だと考えられますね。

歯科と関連するものとして、歯周病や抜歯、ソフトダイエット(液体食、介護食)は、認知症の一因になるとされています。

歯周病の炎症は脳内に波及し、アルツハイマー病分子病態を悪化させる原因とされています。歯周病のマウスには多くのアミロイドβ沈着斑が沈着していることが分かり、さらに脳内サイトカイン(細胞から分泌されるタンパク質)が上昇していることも分かっています。これは、脳内で炎症性のマーカーが上昇していることが影響し、アルツハイマー分子病態を悪化させたのではないかということです。
抜歯の場合、歯周病と違い、アミロイドβの沈着には差がなく、アルツハイマー病を悪化させることはないけれど、認知機能障害を引き起こします。咀嚼の低下は、海馬の細胞減少を引き起こします。つまり、抜歯による歯の喪失は、咀嚼の低下を引き起こし、それが認知機能障害を引き起こす要因と考えられるのです。

認知症に限らず、歯の喪失と栄養状態は関連しています。ある研究では、咬合関係が残存歯で維持されている群に比べて、義歯で維持されている群は1.7倍、咬合が維持されていない群では3.2倍低栄養になるリスクが高いとされ、咬合支持の維持・回復は転倒予防に繋がるとの報告もあります。
咬合は、バランス機能および筋力の維持にとって重要であり、ADL(日常生活動作)、認知機能、生活機能、つまり生活の質に影響してくるということです。

以上のように、歯と認知症そして全身の健康状態には大きな関係性があるとされています。しっかり噛んで、毎日美味しく食事することが認知症予防に効果的なのですね。歯を失わないよう、歯周病が悪化しないよう日頃のケアや定期検診、必要な歯科治療は欠かせません。当院での定期的なメインテナンスお待ちしています。

木村歯科医院では院長による無料オリエンテーション(旧健康講座)を再開しています。
院長の「知らなきゃ損する歯のはなし」に加え、当院衛生士のよる「コロナに負けない免疫力アップ」など内容もパワーアップしております‼
次回の日程は
7月25日(土)16:00~
8月12日(水)15:00~
8月22日(土)16:00~
を予定しております。
参加希望の方は、木村歯科医院(0120-255-418)までご連絡ください。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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