口腔機能とその重要性

投稿日:2020年12月25日

カテゴリ:スタッフブログ

埼玉県羽生市にあります木村歯科医院の大竹です。
早いもので、今年も残すところ1週間をきりました。年末年始はおせちやお雑煮などご馳走が楽しみですね。ただ、この時期はお餅による事故が増加します。加齢や口腔環境の悪化で噛む力や飲み込む力が衰えると、誤嚥や窒息事故を引き起こすことがあるため注意が必要です。
今回はお口の機能とその重要性についてお話ししたいと思います。

<口腔の機能とは?>
口腔は生体の中でさまざまな機能をもった器官です。その機能として、①食品摂取に関する機能:咀嚼・嚥下・消化、②感覚機能:味覚・異物排除、③コミュニケーション機能:発音発声、外観、等があげられます。

咀嚼機能の維持増進は、生涯を通じたQOL(生活の質)の維持に大変重要です。う蝕予防や歯周疾患予防の目的は疼痛を伴う歯科疾患の予防でもありますが、その本来の目的は口腔機能の発達と維持増進のためです。歯科疾患を予防し、口腔機能を維持増進することは、全身機能と全身疾患の予防にも関与し、人々のQOLの向上に大きく寄与することになります。

<咀嚼機能の役割>
咀嚼とは「食物を摂取して粉砕し、唾液と混和して、食塊にするまでの一連の流れ」のことです。咀嚼機能の役割は以下の通りです。
①嚥下しやすくする
②消化吸収の促進と消化液の分泌促進
③口腔の清掃作用
④異物の排除
⑤顎の発育促進
⑥情緒安定の役割
⑦肥満予防
⑧食品の発がん物質の変異原性の消去作用

咀嚼能力が死亡リスクに影響を及ぼすことが明らかにされており、咀嚼能力が高い人と低い人を比較すると、死亡リスクは2.6倍であり、死因別で見ると心血管病による死亡リスク5.1倍との報告もあります。
これらの結果から、様々な食材を偏りなく食べることができる80歳の高齢者の方が、咀嚼能力の低下した者と比べて長寿であることを示しており、咀嚼機能の維持増進の重要性を示しています。 

お餅を食べるときに限らず、各々の口腔機能に応じて食物の形状や一口量、水分量、食べるスピードなどを工夫することは重要です。それに加えて、しっかりと咀嚼できる口腔環境を整えることも大切ですね。
歯が欠けてしまった、痛みがある、歯が揺れている、入れ歯が合わないなどお口の中でお困りのことがあれば、ぜひ当院で検査、相談してみてください。定期的なメインテナンスもお待ちしております。

当院では院長による無料のオリエンテーションを行っております。
1月の予定は以下の通りです
1月 9日(土) 16:00~
1月19日(火) 15:00~
参加希望の方は、0120-255-418までご連絡ください。
皆様のご参加を心よりお待ちしております!!