前歯の審美治療と歯周治療による口腔内全体の改善の症例
前歯の審美治療と歯周治療による口腔内全体の改善
こちらの方は、以前から当院に通院されておられた方です。初診時にはむし歯による痛みがあり、治療希望で当院に来院されました。
当院では、初診の時にトリートメントコーディネイター(治療相談員)からお困りのこと、これまでの歯の痛み、ご希望についてお伺いをし、保険内でレントゲン撮影、口腔内検査を行っております。
検査結果より、全体的にむし歯があり、部位によっては神経の治療も必要な箇所がありました。また、歯肉の腫れや歯石、プラーク(細菌)が見られることから歯周治療も治療と並行して行いました。
まず、むし歯が深く痛みを伴っていたので、神経の治療を行いました。神経がないと歯全体に栄養が行きわたらない為、脆くかけやすくなります。
患者様からは外から見えるところは見た目の良いものにしたいとの希望でしたので被せ物や詰め物の治療方法を多くの選択肢の中から選んでいただくために、被せ物の種類の説明と相談の時間を行いました。
より美しく見えるための補綴として保険の白い被せ物や、自費のセラミックの被せ物があることを伝えました。保険の白い被せ物はプラスチックの為、吸水性があり、経年変化で色が変わってきて周りの歯と調和しなくなります。
自由診療のセラミックの材料は陶器の皿と同じため、吸水性がなく色が変化してくることも殆どありません。その上、陶材のように割れるような心配が少ない、きわめて強度が高く加工されて特殊な材料です。加えて、表面に傷がつくにくい特性があり、プラーク(細菌)がつきにくく、お掃除がしやすく管理のしやすさに繋がり、結果的に長く健康を維持することが期待できます。
オールセラミックのジルコニアは割れにくく耐久性、体への影響の少なさが良いとされています。ただ、噛み合わせの強い方には欠けてしまう可能性が0ではありません。ジルコニアセラミックスは、ジルコニアフレームの上に陶材を何層にして焼き付けるため、もっとも自然な歯の質感に近いということから目立つ前歯に使われる方が多いです。
このような違い、将来に対するリスクやデメリットも説明し、ジルコニアの素材を選ばれました。前歯のジルコニアの部分は、高い審美性を得て、患者様も満足していただきました。
歯周治療ですが、食生活を伺ったところ、甘い飲食物をだらだら食べてしまう時が多い傾向がありました。甘いものに含まれている糖分は細菌を増やし、歯石や汚れがつきやすい状態になります。また、お口の中は食べ物などを摂取すると口の中が酸性に変わり、歯が溶け出します。時間が経つと中和され、歯の表面を修復し歯を強くする働きが起こるのですが、だらだらと食事をすることにより酸性の状態が長く続くのでむし歯リスクも上がります。
そこで、食生活の指導と磨き残しを減らすためにブラッシング指導を行いました。歯周ポケットや表面についている歯石やプラークの除去をし、患者様も食生活の改善やフロスなどのセルフケアを継続的に行っていることにより、歯肉の腫れやプラークの状態が良好になりました。
今後も引き続き治療と歯周治療を行い、安定した良い状態を維持するための一緒に口腔内の管理をしていく予定です。
年齢・性別 | 20代・男性 |
治療期間 | 3ヵ月 |
治療回数 | 4回 |
治療費用 | ジルコニア冠 2本 220,000円(税込) 保険適用の歯周病治療 |
リスクなど | ・咬む力が強い方だと割れたりかけてしまう場合がある。 ・セラミックは金属の被せ物などと異なり、ある程度の厚みを確保する必要がある。歯の形を整える際に神経の露出が避けられない場合がある為、事前に根の治療を行う場合がある。 ・歯周病治療により、歯肉退縮・炎症・二次う蝕となる可能性があります |
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