歯も移植出来るんです。
投稿日:2023年8月8日
カテゴリ:スタッフブログ
埼玉県羽生市にあります木村歯科医院の江渕です。暑い日が続いていますが如何お過ごしでしょうか?こまめに水分補給をして熱中症を防ぎましょう。
先日、私事ですが娘が生まれました。今まで以上に診療に家庭に頑張ろうと思っております。
さて、皆さんはやむを得ず歯を失った場合、その部分をどうしようと考えますか?歯医者さんは入れ歯やブリッジ、或いはインプラントを勧めてくると思います。基本的にその流れになるのですが、もう一つ選択肢があるのをご存じですか?それはご自身の歯を移植するという方法です。基本的に親知らずや咬み合わせに関与しない歯を用いて治療を行います。このあと具体的な内容に触れていきましょう。
歯の移植とは、歯を一旦抜いて別の部位に移し替える治療を指します。どうしてそんなことが可能になるのでしょうか?それは、歯の周囲に存在する歯根膜(しこんまく)という組織が関係しています。歯根膜は顎の骨と歯を繋ぐ組織なのですが、再生機能の高い細胞が存在しており、移植先で骨組織を作る事が出来ます。また、骨組織のみならず歯周組織の再生も期待出来ます。歯根膜の存在によって歯の移植は実現するのです。
次に移植出来る条件について説明します。
上記でも挙げた通り、親知らずや咬み合わせに関与しない歯の存在が必要です。また、移植する場所に対して歯や歯根の大きさが合っている事も重要な条件です。大きさが合っていない場合は、たとえ歯根膜がある歯であっても移植は難しくなります。
歯を移植する上でのメリット・デメリットも挙げていきたいと思います。
メリットは以下の通りです。
1,自分の歯で欠損部の回復が可能。
2,歯根膜が噛む力を分散するクッションの役割で対合歯に影響を与えにくい。また、元の自分の歯のように咬み応えがある。
3,健康な歯を削らずに済む為、ブリッジに比べて歯への影響が少ない。
4,天然歯の為、メインテナンスしやすい(矯正治療も可能)。
続いてデメリットです。
1,移植する歯に様々な制限があり、適応範囲が狭い。例えば移植する場所に充分な骨や幅が必要であったり、移植する歯がある事が条件となる。
2,技術的に難しい場合がある。
3,適切に付かないリスクもある。
如何だったでしょうか。移植というと臓器などのイメージがありますが、歯も可能である事が知って頂けたと思います。患者様には様々な治療の選択肢がある事を知ってもらい、ご自身の口腔内をより良いものとしていってほしいです。今回のブログがその手助けとなる事を願います。
当院では、目から鱗の話がたくさん聞ける、院長による無料オリエンテーションを行っております。
次回は8月26日(土)15時30分~、9月9日(土)15時30分~
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