高齢者の食事のポイント
投稿日:2023年10月24日
カテゴリ:木村歯科訪問プロジェクト
羽生市にあります木村歯科の大竹です。
異常な暑さからも解放されて一気に秋らしくなってきましたね。過ごしやすく紅葉も綺麗で、なんといっても食べ物が美味しいので四季の中では秋が一番好きです。
食いしん坊の私ですが、先日お肉を食べた時、一切れが大きいうえにやや硬めの物を食べたようで、うっかり噛み切れないままに誤って飲み込んでしまい、あわや!…ということがありました。何とか飲み込んで事なきを得ましたが、自分でも驚くほど噛んだり飲み込んだりする筋力や反射が弱っているのだなと痛感しました。
そんなこともありましたので、今回は口腔機能が低下している高齢者がより安全に食事をするためのポイントをお話ししていきたいと思います。
高齢者の場合、加齢変化や認知症、脳血管障害、パーキンソン病など様々な要因で口腔機能(噛む力、舌の力、飲み込む力など)が低下します。口腔機能が低下することで飲み込む力が低下すると、窒息や誤嚥性肺炎を引き起こし、命に関わる場合があるため注意が必要です。誤嚥のリスクを減らすため、以下のことについて確認してみましょう。
【摂食姿勢】最も誤嚥しにくい姿勢:30度仰臥位・頭部前屈位と言われている
・気管と食道の位置関係は気管が上位で食道が下位になるため、食塊は重力により食道に落ちやすくなる
・頸部を前屈することにより、気管よりも食道の方が直線的になるため、食塊は食道方向に移送されやすい
※この姿勢をとらせ、問題が無いようであれば徐々に座位に近づけていく
【嚥下方法】
・嚥下の意識化
嚥下は「口唇閉鎖→舌の拳上→上下顎歯の咬合→喉頭挙上」といった一連の流れで行われており、一つ一つの動作を意識する
・横向き嚥下(頸部回旋):片麻痺のある方
(方法)介助者が頭部を支えながら、麻痺側に首を傾けて嚥下する
(目的)麻痺側の反対側の食道が開いて食塊が通過しやすくなる
・うなずき嚥下:飲み込む力が弱い方
(方法)食べ物を嚥下する前に、一度頭を後ろに倒し、その後に深くうなずきながら嚥下する
(目的)咽頭に残留した食べ物を重力で落として嚥下する
・交互嚥下:口の中や咽頭に食べ物の残りかすがとどまりやすくなっている方
唾液の分泌量が不足している方
(方法)ご飯やおかずの固形物と、スープやお茶などの流動物を交互に食べる
(目的)口腔内や咽頭に残った食べ物を水分で洗い流す
※汁物でむせる方は、交互嚥下でも汁物は少量にする
【食事介助の工夫】
・食事の前に歯磨き・口のストレッチをする
・食事に意識が集中するような言葉かけを行う
・適度なとろみをつける
・嚥下する食塊の量と摂食のペースを調整する
・食べやすい食器や食具を使用する
う蝕や歯周病、不適合な義歯により噛むと痛みが出る状況や、欠損歯があることで十分に噛むことができないこともまた口腔機能の低下を招きます。通院が難しくなってしまっても、噛むためのお口の環境を整えて、美味しく安全に食べられるようにするために、当院の訪問診療もぜひ活用してみてください。
当院では、目から鱗の話がたくさん聴ける、院長による無料の
オリエンテーションを毎月開催しております。
次回の予定は 11月11日(土) 15:30〜
12月 9日(土) 15:30〜
を予定しております。
参加をご希望の方は 0120ー255-418 までご連絡ください。
皆様のご参加、心よりお待ちしております。
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