前歯の被せ物をセラミックに作り替えた審美的治療

投稿日:2025年2月18日

カテゴリ:審美治療症例

前歯の被せ物をセラミックに作り替えた審美的治療

こちらの患者様は、以前から定期的なクリーニングのために当院へ通院されていました。今回、左前歯の被せ物が外れ、「きれいに治したい」とのご希望がありました。

【▼初診時の口腔内】

初診時の口腔内

前歯部は特に審美性が求められる部位であり、外れた歯の右隣の歯の色味も気になるとのことで、2本同時に被せ物を作り直すことになりました。

被せ物の種類について詳しくご説明した上で、患者様はセラミックのジルコニアを選択されました。

セラミック

ジルコニアセラミックは光の透過性に優れ、透明感のある美しさがあり、変色せず長期間にわたり白さを保つことができます。

また、非常に強度が高く加工された特殊な材料であり、長年にわたり十分な耐久性があります。

さらに、セラミックは表面に傷がつきにくいため、プラーク(歯垢)が付着しにくく、清掃性に優れています。これにより、長期的な口腔の健康維持が期待できます。

加えて、保険適用の金属冠に比べて、セラミックは歯との適合性が高いため、被せ物の隙間から細菌が侵入し、二次カリエス(治療した箇所から発生する虫歯)が進行するリスクを抑えることができます。金属を使用しないため、金属アレルギーの心配もありません。

一方で、セラミックは硬く摩耗しにくい材料ですが、衝撃には弱いため、噛み合わせが強い方では欠ける可能性がゼロではありません。

歯周病治療

前歯部の被せ物をする際には、プロビジョナル(仮歯)を作製し、技工士と連携しながら、患者様の理想の形や口腔内との調和を確認しながら本製作を進めました。

また、被せ物の型取りや装着の際、歯肉の形態や炎症の状態は適合精度や審美性に大きく影響するため、型取り前に必要な歯周治療を行いました。

【▼治療後の口腔内】

治療後の口腔内

治療後、患者様からは「自然な色や形になって嬉しい」とのお言葉をいただき、ご満足いただけました。今後も定期的なクリーニングを行い、健康な口腔状態を維持できるよう管理していきます。

【▼治療前後の比較】

治療前後の比較

年齢・性別 60代・女性
治療期間 形成~装着まで1ヵ月程度
治療回数 4回(仮歯の期間と根管治療を含む)

1:形成、プロビジョナル作成 1回
2:プロビジョナル修正 1回 (プロビジョナルの期間:2週間)
3:型取り (2週間で作製)
4:装着

治療費用 ジルコニア冠 1本 110,000円(税込)
計2本 220,000円(税込)
リスクなど ・セラミック治療においては、過度な衝撃やかみ合わせによっては割れてしまうリスクがあります。
・歯の形態や角度を修正するのは限度があり、周囲と調和した形態にするためには矯正治療や欠損補綴が必要な場合があります。
・処置を行う歯の周辺との審美性や機能面を考慮し、隣在歯や対合歯の形態修正が必要になる場合があります。
・生活歯(神経が残っている歯)のケースでは、削る量によってはしみる症状や痛みが想定されるため、神経を取る処置が必要な場合があります。

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