歯の移植
投稿日:2025年4月8日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは。羽生市にあります木村歯科医院の大竹です。
あっという間に4月ですね。先日お花見をしてきて、桜がとても綺麗でした!まだまだ寒暖差がある季節なので体調には気をつけていきたいですね。
さて、今回は「歯の移植」についてお話しようと思います。
移植というと医科での心臓移植などを思い浮かべるかと思いますが、歯科にも「自家歯牙移植(じかしがいしょく)」という、お口の中で噛み合わせに参加していない歯を移植するという方法があります。
機能していない歯で、欠損部に移植する歯を「移植歯(ドナー歯)」、移植先を「受容床」と言います。歯の移植は、むし歯や歯周病などで歯を失ってしまった場合に、余っている歯を欠損部に移植して機能を回復させる治療法です。
【適応症】
・1本単独欠損
・ブリッジ、義歯を回避したい場合
・インプラント治療が困難な場合(年齢、自費診療)
【メリット】
・生物学的に自己のものを使用する
・年齢的な制限は少なく、インプラント治療ができない若年層でも行える
・天然の歯がもつ感覚が残る
・保険適応
【診療の流れ】
①口腔内検査、歯科用CT撮影し、ドナー歯の形態と受容床との適合を評価する
②抜歯、移植手術
③歯の神経の処置(抜歯時にドナー歯の神経は失活してしまうことが多いため、移植前、もしくは移植後に神経の治療を行う)
④歯の固定 移植した歯は歯槽骨の中でまだ安定しないので、しばらくの間動かないようにワイヤーやレジン(樹脂)などで隣の歯と固定し安静を保つ(約4~8週間)
⑤術後3~6ヶ月経過し、経過良好なら仮歯にて経過観察行う
⑥移植歯が生着、仮歯にて問題なければ最終的な歯冠修復を行う
⑦最終的な被せ物の治療が終わったら、メインテナンスに入る
【検討項目】
・ドナー歯がむし歯や歯周病のない健康な歯である
・ドナー歯の大きさが抜歯した部分に納まるサイズや形態である
・ドナー歯に歯根膜がある
・移植前後に神経の治療が必要になる
・ドナー歯と移植床に十分な骨量が必要で、骨の質によっては適応外になることがある
・残存歯が25歯未満(咬合負担が多い)場合は適応外になることがある
・移植する部分、抜歯する部分の2ヶ所に外科治療が必要になる
・高齢になると骨の確保が難しくなるため、インプラントの方が適している場合がある
・移植した歯が定着せず、抜け落ちてしまう可能性がある
※インプラントよりもやや成功率が低い(治療の成功率は10年後の生存率で70〜90%と言われている)
移植治療は条件が合致して、治療が受けられる場合はかなり限られてしまいますが、選択肢の一つとして有効です。もし移植が難しい場合であっても、歯が欠損した場合、義歯やブリッジ、インプラント治療等その状況にあった治療をご提案させていただければと思いますので、ぜひ相談してみてくださいね。
当院では目からうろこの話が聞ける院長による無料オリエンテーションを毎月開催しております。
次回は4月12日(土)15:30〜を予定しております。
参加ご希望の方は0120-255-418までご連絡ください。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
さらに木村歯科医院のインスタグラムでは今後の無料オリエンテーションのスケジュールや診療日、健康についての情報を発信しております。
ぜひご活用ください。
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